[WIND EXPO(風力発電展)]洋上風力プロジェクトを支える超大型クレーンと最新施工技術の最前線を視察!
2026/9/20(日) 07:20
[展示会レポート]
国内最大級のエネルギー展示会「WIND EXPO(国際風力発電展)」が幕張メッセにて9月に開催され、現地を取材・視察してきました!
脱炭素社会の実現に向けて開発が加速する「洋上風力発電」。巨大な風車部材を港湾で組み上げ、外洋へと据え付けるこの巨大プロジェクトの要となるのが、過酷な外洋で稼働するSEP船(自己昇降式作業台船)、そしてそれを受け止める「基地港湾」のインフラです。
会場には海洋土木ゼネコン、重機・クレーン会社、エンジニアリング企業、そして基地港湾の誘致に注力する自治体が集結し、大きな熱気に包まれていました。


1. JWFC:15MW超の大型風車に対応する巨大SEP船「JWFC SUNRISE」
会場内でひときわ大きな存在感を放っていたのが、戸田建設や熊谷組、西松建設、若築建設、岩田地崎建設、吉田組のゼネコン・マリコン6社が共同設立した「JWFC」のブースです。
JWFCが調達・保有するSEP船「JWFC SUNRISE」は、全長112m・全幅50m、レグ長130mを誇る大型作業台船。1,300t吊りの高性能大型クレーンとDPS(ダイナミックポジショニングシステム)を備え、近年のトレンドである15MW級超の巨大タービンや基礎施工に余裕をもって対応します。
国内の洋上風力需要の高まりに対し、複数社が知見と大型施工船を共有・運用することで、大型風車の据付・施工を安定的かつ円滑に進める体制が紹介されており、会場でも大きな注目を集めていました。


2. 青森県・青森市:大型クレーン稼働を支える「青森港」基地港湾の誘致・整備計画
青森県・青森市の合同ブースでは、日本海沿岸や津軽海峡の洋上風力プロジェクトを見据えた「青森港」の基地港湾化・企業誘致の取り組みが熱心にアピールされていました。
大型風車のナセルやタワー、ブレードを仮置き・地組みするためには、数百〜千トン級の超大型クレーンや重量物運搬台車(SPMT)の乗り入れが不可欠です。ブースでは、これらメガクレーンの稼働を支える港湾地盤の改良(地耐力強化)が図解付きで詳しく解説されていました。
約18.6haに及ぶ広大な組立ヤード、水深-12m・岸壁延長230mを整備し、陸奥湾ならではの静穏性によってSEP船の接岸や荷役中の工期遅延リスクを大幅低減できる点を強みとして紹介。基地港湾としての優位性を打ち出していました。


3. 五洋建設:海を拓く超大型SEP船「CP-16001」&大型基礎施工船(HLV)
海洋土木のトップランナー・五洋建設のブースでは、最新鋭の洋上施工船模型が展示されていました。10〜15MWクラスの超大型風力タービンに対応する1,600t吊り全旋回式クレーンを搭載した最新鋭SEP船。ジャッキアップ機構とDPSを備え、過酷な外洋でも安定した高所揚重を可能にしています。
モノパイルなどの超重量基礎を効率よく運搬・打設する施工船構想も披露され、海洋クレーン施工のスケールの大きさを実感させました。




4. 電材エンジニアリング(DENZAI):陸上・海洋を横断する圧巻の重機力
重機・クレーン業界を牽引するDENZAIグループのステージ発表では、保有する圧倒的な規模と施工技術が紹介されました。
LIEBHERR製「LR12500」(最大吊上げ能力2,500t)などの超大型クローラークレーンをはじめ、LTM11200NX(1,200t吊りオールテレーン)、SPMT(自走式モジュールトレーラ)などを網羅。
基地港湾での部材荷役・組立から現場での据付に至るまで、陸上・洋上のロジスティクスをトータルで支える総合力が強調されていました。


5. 日揮(JGC)&サプライチェーンの最新動向
「浮体式洋上風力ワールド パビリオン」に出展し、水深の深い海域を見据えた浮体式風力発電へのアプローチを解説。プラントエンジニアリングの視点から、港湾基地での組立効率化や係留技術を提示していました。

6. 神鋼鋼線工業(KOBELCO)
橋梁分野で培ったノウハウを活かした洋上風力向けの特殊ワイヤロープ・係留システムを展示。大型クレーンの吊り索や浮体係留を支える重要部材として注目を集めていました。


6. その他
満員御礼の洋上風力セミナーや風力発電に関する専門雑誌など、風力発電展ならではのイベントがあります。




訪問を終えて
風力タービンの大型化(15MW〜20MW級へ)が進む中、洋上風力プロジェクトの成功には、「CP-16001」や「JWFC SUNRISE」といった超大型クレーンを積んだSEP船、陸上で部材を揚重・輸送する超大型重機フリート、そしてそれらを受け止める強固な基地港湾(青森港など)の連携が欠かせません。
精密据付を可能にするクレーン技術、波浪に耐える洋上作業船、そして地耐力を強化した港湾ヤード、これらが三位一体となって進む洋上風力発電は、まさに「重量物揚重工学の集大成」です。
クレーンジャパンでは、今後も日本の海と陸を支える最新クレーン・重機技術、そしてインフラ最前線の動向を熱くレポートしてまいります!
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